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25年前の忘れ物 [おもわんコト]


それは突然、久しぶりの兄夫婦と共に、前触れのない爆撃機のようにやって来た。
いや、予感はあった。先週のこと姉から連絡はもらっていたのだ。

「○○お、実家の家を壊すのでおまえの残っている荷物を引取に来なさい」
「いや、今は仕事があって動けない」
「捨てていいのか?、それとも私んちに持って行って保管しておこうか」
「あぁ、助かる。お願いします」
これで済んだと思った。8月のお盆にでも引取に行けばいいかなと頭ン中では処理したつもりだったのだが。

日曜日の昼前のこと、
塩鮭(日曜の朝はこれが最高、味噌汁も忘れずに)を焼いてご飯を食べていると、携帯に着信音が鳴り響く。仕事柄いつものことではあるが、電話を取る。
誰だろうこの番号は?、なんて思いながら席を立ってアンテナの環境がよい玄関に歩いていくと、
「おい、何処にいる?。家か」
「えっ、、」
「俺だ、○い○。今車だがおまえの家の前にいる。荷物持ってきたぞ」
「へっ!連絡ぐらい入れてくれよぅ」
もう既に遅し、玄関のガラス越しに車のシルエット見える。

なんだぁ、たいへんだ。
実は家ン中が新しいソファを入れ替えで。粗大ゴミ引取があとになり、新旧どちらも鎮座していて足の踏み場もない。
客人を迎え入れる状態ではないのだ。
「おーい、兄貴夫婦が来たぞ」と、家内に叫ぶ。

てっきり電話中かと思っている家内がのそのそと玄関に出てきた。
「あーら、どーも。○○こさん」と笑顔ではあるが引きつっているような。
「やだぁ、こんな格好でー」確かにそんな格好だ。
「ごめんなさい、突然に。電話した方がいいよと私は言ったんだけど」
「ちょっと待ってね、片付けるから」なんて言いながら引っ込んじまいました。
まあ、私の方は駐車場の誘導で時間が稼げたんだけどね。

この夫婦の来訪の本当の目的は、他でもない、ポプリ&ビンゴにお花を届けに来てくれたのだ。ビンちゃんと同じ兄妹の一つをもらって頂いたのだが、
それが昨年同じようにポプリより先に逝ってしまいました。
先日の私と姉の電話のやりとりの中で、ポプビンが逝ってしまったのを知り、母親ポプリの墓前にお花を届けに来てくれたのであった。

およそ16年に及ぶポプリとの生活がここに終わったんだなと、またもや気付かされました。
子供達は全部で6匹、残念ながら全て知り合いにお渡ししたのだが、残り4匹の生死は判りません。たぶんこの世にはいないだろうな。

その後2時間ほど、チビたちの子供のころの写真を見ながら元気な頃のお話しをしました。

出産後の母親の大変さを身をもって経験したことと、多産系の犬種のため生まれ出てきた子供達の引取先の事もあるし、流通には絶対乗せたくないし、このことから娘のビンゴには産ませることはしませんでした。
ですから、ファミリー「ポプリクラブ」はここでお終いです。




さて、我が家(いや、わたし)の「時」の分水嶺になるのか、
この出来事と入れ替わるように、実家の押入に封印してきた20代の遺産?、がターペンタインの鼻をつく臭いと、持つと手が真っ黒になるくらいの埃とともに、「ぎょうーさん」ワンボックスいっぱいの忘れ物が目の前に届きました。

「どーするのこれ」と、家内。
「2階には置けないし、、、ほとんどゴミだろうと思うけど、一つ一つ確認して捨てたいな」と、わたし。

かくして、遺物?は事務所に持込、エレベーターホールを占領して
「なんか痒い」と言う家内を無視しながら、紐解いてみました。
「う゛ー懐かしい」と叫ぶものが出てきたり、当時読んでいた書籍が出てきたり、当時の思考の変遷が線で結べるような面白さが体験できました。

その面白さ(個人的)はおいおい紹介(できるものは)していきまっしょい。


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コメント 15

煙がぼわぁ~~っと出てきて・・・お爺さんにはならなかったようですね。
こういう対面は・・・こっそり、ひとりでやるのが1番。
やばいもの出てきませんでしたか??
我が家も母の家の4・5帖を物置代わりにしていましたが、そろそろ着手する時がきています。
その前に母親の凄い古い物の整理の最中。
23年前の缶詰が爆発していたり・・・あのね、たいへん(T.T)

お兄さん夫婦も大変だったと思うわ。
by (2007-06-26 07:23) 

マコちん

レトロなカバンだ~!
ヴォイスさんは、昔寅さんだったのか?
でも、昔の自分の荷物が取ってあったって羨ましいです。
私は親の離婚から始まって、親の引越しや再婚などで何も残ってないもん(>_<)
僅かに残ってるのは、自分で持って家を出たものだけ・・・。
ポプリちゃん親子ズは、虹の橋で仲良く元気にしてるよ!
それに、まだ元気なこも居るかもですよーーーーー!!!
うちのホニャだって15歳で元気なのですから(^^)v
by マコちん (2007-06-26 08:50) 

猫ふみふみ

もしかしてこのカバンはとてつもなく大きいのでしょうか?
きっと25年前のヴォイスさんが、いっぱいいっぱい詰まっているんだろうな。
ドラ○モンの4次元ポケットのように、溢れるほど沢山の想い出が
飛び出してきそうですね。
25年前のもの・・・・そういえば今日履いているスカートも
それくらい経つかも。母の手作りは丈夫で長持ち。
by 猫ふみふみ (2007-06-26 09:32) 

小松庵店主

我が家も実家大移動のときは、いろいろ出てきましたね~。
【べ】も同様と思われます・・・・・。
by 小松庵店主 (2007-06-26 10:20) 

従者

思い出が似合う、素敵なカバンですね。
こういうものって、古いほど素敵に見えるのはどうしてだろう。
懐かしいモノタチの中にはきっと、難しい顔をして描いたデッサンもあるんでしょうね。

しかしこれはカユイだろうなぁ~。そして、昔のにほひ・・・。
by 従者 (2007-06-26 12:17) 

あ~、いいですね。
自分ちでなくても、倉庫を探検するのは大好きです。
わたくしも自宅を離れてもうすぐ20年。
倉庫の整理はもうちょっと先延ばしにした方が楽しそうですねー。
by (2007-06-26 13:04) 

hana

いいですね。素敵な鞄です。
父が似たような鞄を持っていましたので懐かしいです。
ヴォイスさん、宝物が一杯詰まっていたんでしょう!
棄てるのは簡単ですが、大切にしまって置いて下さったのが嬉しいですね。
by hana (2007-06-26 16:15) 

にょろ

突然、タイムカプセルがやってきたわけですね。
中の宝物はどんなものが入ってるのでしょうか?
楽しみにしていま~す♪
by にょろ (2007-06-26 23:05) 

Takabee

> たしかにそんな格好だ
この一言があわただしい一幕を的確に言い表していると思います。

どんな宝物が届いたんでしょうか。
紹介できないものってどんなのでしょうか。気になりますね(笑)。
by Takabee (2007-06-27 01:39) 

いい雰囲気の鞄ですね!
きっといろんな思い出が詰まってるんでしょうね~ヽ(´▽`)/
by (2007-06-27 19:18) 

ホニャ

あーーーーーはっはっはっは!!オモロかった〜よ〜
              小説読んでるみたいだった〜
タイムカプセルだねぇ わしね、自分の変貌歴を自分で認識しながら生きてきたつもりなんだけど(?)、小学校の時に埋めたタイムカプセルの中身を見た時は おっどろいたねぇ 今まで、この時期にこの事があって私はこうなったと思っていたのが、いやいや、子供の頃からだったのだー 意味不明だったらごみんなさいね ガハハハハハ!!
by ホニャ (2007-06-28 09:25) 

そりゃ、この鞄、ぎょうさん入りますわ。すてき。
これからも詰めてみはる?
で、また25年後に・・・きゃー!!
by (2007-06-30 18:14) 

ichiko

人生の重みありの鞄ですね。
いろんな品物を見ると、
すっかり忘れてたこととかも瞬時にして
思い出したりしますよね。
by ichiko (2007-07-08 16:48) 

sera

思い出が詰まっている
暖かいカバンですね~
by sera (2007-07-09 08:07) 

モモパパ

今頃この記事見つけてしまいました^^
懐かしいものって捨てられないのですよ〜!
おいおいのご紹介、お待ちいたしてますm(_ _)m
by モモパパ (2007-07-19 00:37) 

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