みちのく一人旅 [うみだすコト]
すれ違った新幹線をパチリ、
今(先週のことではある)僕がいるのは、奥州のとある処に向かっている新幹線の中である。現地に夜入りのため午後の移動だ。
思うのだがどうも新幹線には午後の時間帯が似合わない、
時間に余裕の無い人が早朝に飛び乗って移動するような活動的な部分が、きっとお昼ご飯を食べてだらっとするような車内の雰囲気に合わないのだろう。
見渡せば案の定、誰もが眠たそうな姿勢だ。適度な空席がまた気を緩ませる。
しかも外はすこぶる天気が良いときたものだから、仕事中の身なのだが(パソコン開けて見積をしなければならぬ身)缶ビールでも飲んで3座席を占領して昼寝をしたい衝動に駆られる。
およそ目的地まで3時間を過ごすことになるのだろうか。
でも、降車駅に到着してもそこからまたバスでおよそ1時間半の山越えになるものだから、気は焦らずカタコト揺れに身をまかす心地だ。
(このバスがまたいいんだなあ、流れる景色を眺めているだけで幸せになる)
本日も一人旅、
通常なら移動とは退屈な時間になりがちなものだが、昨夜も午前様、時計の針とにらめっこを経てきた身にはとてもありがたいひとときだ。
明日の客先との重要な引き渡し検査の緊張感など何処にいったのだろうか。
いつの間にか放ってしまっておいたブログのお題探しに目が散歩する。
河面を撮るのは難しい、全滅でした。
疾走する景色に、雲ひとつ無い真っ青な空。「あぁ、今日は穏やかな日だなあ」、
北風のツンツンさは何処に置き忘れてきたのだろう。
春の気配を確実に肌が感じるのだが、車窓に流れる奥州の景色はまだ枯れ葉色だ。河川の、湾曲する流れを断つように両岸に群生する葦は、いまだ光合成を今かと待つ、生まれ変わる前のジョンブリアン色(jaune brillant=イメージは輝く黄色だゾ)だ。
ん?、何気なく言葉が浮かんだが、
そう、思い出した!、この色は「ジョンブリアン」だ。
ポピーオイルのニオイとともにチューブからひねり出された黄褐色のそれは、若かりし頃お気に入りの1色であった。四角い画面の中で四苦八苦していたときに限って、なんともいい塩梅にうまく落ち着かせてくれたものだ。
なかなか最初からは使えず最後のここぞというときにパレットにひねりだしたものだった。
たかだかタブロー、限られた面積の中で何を悩んでいるのだと、
若く力任せだけの頭ン中に諭すようにそいつは発色していたのであった。
こいつがまた、あくまで私の好みだが、絶妙に艶消しのブラックに合うのだ。配色はトラロープなのだが、、、
好きな配色であったな、我が身の服飾にまでは表現してみなかったが、なにせ貧乏の辛さだけが奥歯の隙間にはさみ残る生活であったからな。
でも大きな夢は描いていたよ。(つもり、、何とでも言えるがノ)
漠然と大きな屋根を支えるひとりになりたかったよ、と、ぽつり。
いつのまにか、「はやて23号」は音もなく動き出すように仙台駅を発車していた。
(ゔ~、ひもを引っ張ると熱々になる牛タン弁当を買い損ねた、これもお気に入りなのだ)
どのくらい経ったであろうか、まだNoteBookのバッテリー表示は70%を示している。
ちょっと眠ってしまったらしい。
こいつがべたウマだぁ、箱買いしたいゾ
日もだいぶ傾いてきた。
30年の時を超えて、とみに物忘れ激しい我が脳に刺激を与えたこの景色、
夕焼け色に染まりますますいい味わいを醸し出す。
黄金色ではない、あくまでも柔らかく温かな温度を感ずる発色である。
人の情を反応させるにふさわしい輝きを持っているように、例えて遊ぶ。
近くで接すると、数を指折るるように、アンバーやローシェンナ、カーマイン、オーカー、ライトレッド、オーレオリン、レモンイエロー、たくさんの絵の具の色が思い浮かぶ。
あの頃の僕の手は指先の指紋の凹凸にまでたくさんの色の絵の具が入り込みターペンタインで拭いても落ちることがなかった。
これも青春の勲章だろうか。異性への余地などすぐほかのものに埋めてしまうような
面白みのない`ハタチの男`だった。
一瞬にして過ぎ去る葦の垂れる穂先を捉えた瞬間、
それは景色の中に浮遊感を醸し出す。
誰もが干し草の中にダイブしてみたいと思うだろう、
水分を失った植物の匂いに真っ先に思い浮かぶのはこの色だ。
さよなら、また逢おう。そして潤しておくれ。
列車は真新しい駅舎、二戸に定刻通りにすべり込んでいった。
リードは実際にはしております。画像処理にて消去しております 久しぶりの日曜日、鵠沼海岸に行ってみた。
内容と関係ないけど載っけてみた。「だからって?」いわれても、、、
1時間に1本しかないはやて。なぜ、みちのく方面は関西に比べて恵まれないの、悲しくなります。
会長・・・ホヤ好きなのね。ホヤソフトクリームって・・・あったらいいな~。
怖いけど、食べてみたいわ。
ジョンブリアンって・・・そういう色だったのね・・・むかし、アメリカで殺された幼女の名前がジョンブリちゃんだったな~って。思い出した。金髪の子だったな。
鵠沼でも潤ったのかしら??
by こぎん (2008-03-27 07:33)
みちのく一人旅ですか?
車窓にはいろんなものが映っては消えていくようですね。
by GUSUKO-BUDORI (2008-03-27 23:21)
わたくしも油絵の経験があります。
絵の具の名前や油やキャンバスの臭い、色の混合。
ある瞬間にふっとよみがえるのですが、こればかりは経験者にしか分からない幸せな瞬間なんだろうなーと思ったりします。
若いころは「油絵っていつ終わればいいんだろう・・・」と思っていましたが、今なら、その「描き終える必要のない絵」に、のんびり取り組めそうです。
絵の具、まだ使えるかなぁ。15年はほったらかしだからなぁ。
by to-fukozo (2008-03-28 01:56)
それこそ昔なら「上野発の夜行列車♪」なのに?!
ホヤチップス?!買い忘れた牛タン弁当も気になります^^
油絵を画いてみたかったが、このまま一生画かない気がします><
お仕事お疲れ様でございますm(_ _)m
by モモパパ (2008-03-30 12:56)
先週の事・・・とのことで時間軸はズレてはおりますが、26日 はやて31号で盛岡泊まりでした。仕事が角館と二戸にあるので(子会社)お馴染みの列車でして
雰囲気に「そうそう!」って感じです。特に”ほや”は我が家のおつまみ常備品です。
ちなみに、二戸にお泊まりなら(もう機会ないでしょうか?)ミカドっていう隠れ家的なバーがあります。これは絶対に 「このまちに?(失礼)」 ってほど歴史を感じるしみじみとした正統派バーです。お時間があれば是非おためしください。
by debuchin (2008-03-31 22:39)
ジョンブリアン色???
初めて聞いた色ざんす・・・
みちのく?も行った事がありやせん。
なんたって東京だって初上陸だもん。
長年子育てしかしてないから、旅行も九州内ばっかだったし(>_<)
CAPDできる間に色んなとこ行きたいと思ってはいるけど、お財布が厳しいんだよな(T_T)
主婦には出張費なんか出ないもんな~・・・。
by マコちん (2008-04-11 00:21)